【「高い声が出ないのは腹筋が弱いから?」そんな思い込みを取り払う、たった1つの簡単なテクニックとは?】
こんにちは。堀澤麻衣子ボイス&メンタルトレーニングスクール アマートムジカ
歌コーストレーナーのキャサリンです。
歌が一番盛り上がるのはやはりサビの部分ですよね。
特にサビの高いキーを、思い切りたら、とっても気持ちがいいものです。
しかし、いざ歌ってみたら、
音程が揺れたり、声がひっくり返ってしまったり、音が割れてしまったりと、
声がうまくコントロールできない、ということはありませんか?
何度も何度も練習を重ねているのに、声のコントロールが上手くできない。
そんな時、原因に「腹筋の動かし方」が挙げられます。
とは言っても、「腹筋が弱いのが原因だから、鍛えよう!」というわけではありません。
むしろそこで筋力を上げることを頑張りすぎてしまうと、
余計に声のコントロールがし辛くなってしまいます。
「でも力をかけないと高いキーが伸びない……」と悩んでしまう方へ、
今回は、高い声を出す時に、どのように腹筋を使えばいいかをお伝えします。
実はみんな、高い声を頑張りすぎています
以前、「腹式呼吸を行うのに、筋力はそこまで必要ない」ということをお伝えしました。
「腹筋」「言葉」「呼吸」をタイミングよく繋げることができれば、
安定した量の息を吐くことができて、
声帯をスムーズに、負担なく震わせることができ、
声の伸びも安定します。
逆に、お腹に力を入れすぎると、息が勢いよく出過ぎて、
声帯の振動が不安定になったり、声帯を痛める原因になったりします。
人は、高い音域の声を出す時、中低音に比べて力が入りがちな傾向があります。
そこへさらに「しっかり声を出さなきゃ!」と意識しすぎてしまうと、
余計に声が出づらくなるという悪循環に陥りやすいのです。
ここまでのお話を聞いていると、
「でも息をしっかり吐けないと声が響かないし……」
「多少無理してでもここは決めたい!」
「でものどを痛めて歌えなくなるのは嫌だな」
とジレンマを感じるかもしれません。
「のどを傷めずに高い声を思いっきり出す方法ってないのかな?」
と思った方へ。
それが、あるのです。
簡単なテクニックが1つ、存在します。
それが、今回ご紹介する「腰グルグル」です。
「腰グルグル」なら高い声も楽々♪
それでは、腰グルグルの方法をお伝えいたします。
1.骨盤の上部(逆三角形の上辺部分)に、
左右を通すようにして棒が通っているイメージをします。
この時棒と骨盤は一体化して、くっついているものと思ってください。
ボールペンやマジックなど細長い物を使ってイメージしてもいいかと思います。
2.棒を、手のひらを前に向けて逆手で持ちます。
3.棒を下から上向きに回転させます。
4.棒の回転に合わせて恥骨の部分(逆三角形の直角部分にあたるところ)が
上を向くイメージで骨盤を動かします。
5.骨盤の動きに合わせて、お尻の筋肉を内側に締めます。
「びっくりスローモーション」で息を吐いた後、
この動きをゆっくり滑らかに加えてみてください。
瞬間的に息が多くはけるようになり、高い音域も太く伸ばせるようになります。
「腰グルグル」の特徴は、息を吐く時に、
腹筋だけでなく、背筋の動きも使えるということです。
背筋を使うことで、通常より太い息を安定して吐けるようになります。
サビの「ここぞ!」というフレーズで、ぜひこの「腰グルグル」を使ってみてください。
腰グルグルを行う時の3つのポイント
次に「腰グルグル」を行う時の注意点についてお伝えします。
1.力を入れず、ただ動かせばOK
腰グルグルを行う時は、気合を入れて勢いよく動かさないようにしましょう。
この動きの目的は、
息の吐き方をコントロールしやすくすることです。
「ぐるん!」と勢いをつけて動かすと、息を吐き過ぎてしまいます。
自分が思っている力加減の10%ぐらいで「くい」と軽めに動かしてみてください。
勢いよりも滑らかさが大事です。
2.目標とする音の少し手前から動かし始める
例えば「レ、ミ、ソ」の内「ソ」の音をしっかり出したい場合、
ソの音だけに腰グルグルの動きを使おうとすると、
腰の動きが急になり、息を吐き過ぎてしまいます。
結果音が割れてしまい、いくら大きな声が出せたとしても、
聞いている人が驚いてしまいます。
そこで、目標となる音の、少し前から腰グルグルの動きをつけてみてください
ベストなタイミングは、出したい音の1拍前くらいです。
「レ、ミ、ソ」であれば、「レ、ミ」から腰を動かし始めます。
前後の音量が自然につながって、フレーズ全体の印象が良くなります。
3.ここぞというところで使う
この腰グルグルは、簡単な動きで息を多目に吐けるので、
音量を上げるのに便利です。
かといって何度も使っていると、息切れを起こしてしまいます。
普段歌う時は、「発声の3つのポイント」を実践していれば、
腰グルグルなしでも十分通る声を出せます。
腰グルグルは、ここぞと決めたいところで使ってみてくださいね。
「腰グルグル」はいかがでしたでしょうか?
使ってみると、力まなくても楽々に、声が自然と伸びていきます。
ぜひ、十八番の歌に取り入れてみて、
ノリよく、気分良く歌っていただければと思います。
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