【人込みの中でも通る声を出すには? 力まずに声を響かせる3ステップ】
こんにちは。
堀澤麻衣子ボイス&メンタルトレーニングスクール アマートムジカ
歌コーストレーナーのキャサリンです。
声に関して、日常生活で気になることは何かありますか?
と訊いた時に、
「店員さんに呼びかけても気づいてもらえない」
「大勢の人の前でだと自分の声がかき消されてしまう」
というご意見をよく聞きます。
一生懸命声を張り上げてみたけれど、誰も反応してくれなくて、
恥ずかしかったり気まずかったり。
積もり積もれば、自分の声に対するコンプレックスにもつながります。
今回は、「お店や人込みで聞き返されない通る声」を出すためのポイントをお伝えします。
人前で声を出すための第一歩として、お役立ていただければ幸いです。
大事なのは、「呼吸の流れと声を響かせる場所」です。
大きな声を出そうとすると出ない不思議
声が通らないパターンとして挙げられるのが
「声がこもって響かない」状態です。
吐く息のスピードが弱く、息の量が安定しないため、
ぼそぼそ不明瞭な声となり、訊き返されてしまいます。
しかしだからと言って、
「声を大きく出さなきゃ」とたくさん息を吸い上げても、うまく声が出ません。
いざ声を出そうとすると、
裏返ったり、息が漏れたり、音量が不安定になったりします。
たくさん息を吐こうとすると、
身体が緊張し、声帯にも緊張が伝わって、音量のコントロールができず、
また、吐く息の勢いが強すぎると、
声帯を閉じる動きが邪魔されて、息もれや声の裏返りが起こります。
張り上げなくても声は響く
では、通る声を出すにはどうすればよいのでしょうか?
そこで、冒頭でお伝えした「呼吸の流れと声を響かせる場所」に着目するわけです。
まずは「呼吸の流れ」を整えます。
声が通るようにするには、まず、音量が安定していることが必要になります。
呼吸の流れが妨げられず、吐く息の量が安定しているからこそ、
音量も安定し、明瞭な声を出すことができます。
次に「声を響かせる場所」を変えていきます。
口の中や鼻腔で声がしっかり共鳴することで、
息を吐き過ぎずとも音量が増し、こもらず聴き取りやすい声に変わります。
通る声を出すための3ステップ
では、「呼吸の流れと声を響かせる場所」を改善させるための発声法について
お伝えします。
家で練習を重ねておいて、本番、人前で話す時に備えてみてください。
(0)身体と心を緩ませる「水ジャージャー」
まずは、声を出す前の土台つくりとして、
「水ジャージャー」のイメージを行います。
緊張していると、その気がなくても呼吸に乱れが出ます。
身体とメンタル面をリラックスさせて、スムーズに呼吸ができるようにしましょう。
ただし、声を出す直前で行っても、
「リラックスしなきゃ!」と逆に焦ってしまうので、
日常でちょっと手が空いた時間などでイメージを積み重ねて、
自然とリラックスできるようにするといいでしょう。
(1)声が通る呼吸を見につける「ピッチャースローモーション」
声を遠くへ飛ばす呼吸の練習に最適なのが、
「ピッチャースローモーション」です。
息をボールに見立てて、投げる動作に合わせて息を吐きます。
身体の動きを使うことで、呼吸のタイミングがつかみやすくなります。
呼吸の流れがスムーズになり、安定した音量で声を飛ばすことができます。
ポイントは、「キャッチボールをする感覚で腕を振ること」
ボールをそろーっと投げると、息のスピードが弱いこもった声になり
逆に腕が痛くなるくらいの振りで行うと息を吐き過ぎになります。
腕は力まず、かつ滑らかに動かしましょう。
(2)鼻腔や口の中で声がしっかり響く「歯に穴」
吐く息や音量が安定したら、そこで「歯に穴」のイメージを加えます。
前歯の付け根で声が響くイメージをすることで、
声が鼻腔や口の中で共鳴し、力まずとも響いて聞こえやすい、通る声になります。
ポイントは「上向きに弧を描いて声が飛ぶイメージをすること」
上向きのイメージをすることで、声が鼻腔に響きやすくなります。
逆に、下向きのイメージだと、下あごに意識が向きます。
下あごやのどに力が入りやすくなるので注意です。
(1)のピッチャースローモーションに合わせて、
ボールが上に弧を描いて飛ぶイメージをするのもいいですね。
声を張り上げなくても、
息を必死に吸わなくても、
身体が声を響かせることができれば、
簡単に、聞こえやすい、通る声が出せるようになります。
遠くの店員さんに呼びかける時、
人込みの中で声を通したい時、
ぜひこの3つのステップをお役立てくださいね。
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