【長年練習していても歌が上達しない人によくある傾向とは?】
こんにちは。
堀澤麻衣子ボイス&メンタルトレーニングスクール アマートムジカ
歌コーストレーナーのキャサリンです。
コーラスやライブ活動などで長年歌に携わってきた方でも、
声のお悩みに無縁というわけではありません。
「以前のような調子が出ない」
「何度練習してもうまくいかない」
というように、時間をかけているからこそ、
歌が上達しないことに対して思い詰めてしまう方も多いです。
今回は、そんな歌歴が長い方が
レッスンを受講された時に掴んだポイントをお伝えいたします。
そのポイントは「そんなに頑張らなくても声は出る♪」ということです。
練習してもうまく歌えなかった意外な理由
今回レッスンを受講されたAさんは、
歌うことがとても好きで、合唱を20年も続けている方でした。
演奏会のオーディションを間近に控えて、練習を重ねていたのですが、
「高音が出ない、声量が小さい、息が続かない」
というお悩みを解決できず、行き詰っていたそうです。
Aさんの声の出し方をチェックして、気づいたことは以下の2点でした。
1.声を出す時に下が奥に引っ込んでいる
2.声を出す時に力が入りすぎている
実は、2番目の「声を出す時に力を入れすぎている癖」。
これは長年歌を歌い続けている方によくみられる傾向なのです。
しかし、歌っている本人は力んでいるつもりは全くありません。
長年の練習で、インナーマッスルが鍛えられている人は、
普通に歌っているつもりでも、普通の人の倍くらいの力で息を吐いています。
一見音量が安定しているように感じますが、
声帯の負担が強く、音が割れたように聞こえてしまうことがあります。
そのまま歌い続けていくと、声帯を傷める原因にもなってしまいます。
「これくらいでいいんだ!?」と気づく
長年歌を練習している人によくお伝えしているアドバイスが、
「50%60%くらいの力加減でOK」です。
負担がない状態で声帯を使えるようになり、声質が硬さの取れたクリアなものになります。
身体の緊張がないため声が響きやすく、音量や長さも変わりません。
Aさんの場合は
「中音域までが50%、1オクターブ上のドからは30%くらいの力でOK」
とお伝えしました。
1オクターブ上のドからチェンジボイスが起こる傾向にあったので、
息の吐き方を繰り返し練習して、のどが開く感覚を掴んでいきました。
「でも、力を入れないと声が響かない」という方は、
声を出す時の姿勢を確認してみてください。
呼吸をする時に身体が反りかえっていたり、肩が持ち上がる場合は、
息を吸い過ぎてのどに力が入っています。
あごが上がっている姿勢は、それだけでのどや首が張っていきます。
※姿勢のチェックはこちらをご参考ください
こうした身体の緊張の癖をカバーするために、
腹筋で息量を増やして音量を上げている可能性があります。
Aさんの場合は、舌に緊張の癖が見られました。
舌が奥に引っ込んでいるため、声帯が緊張して高音域が出しづらくなっていました。
また、舌が息の流れを妨げて、声がこもり、音量が小さいと感じる原因になっていました。
この2つの癖を修正したうえで、Aさんにご自身の声を聞いていただいたところ、
「最初締め付けているような声だったのに、今は全然楽に響いてる」
「全然力入れてなかったのに音量出てますね」
と驚いていらっしゃいました。
今まで自分の声は小さいと思っていたそうですが、声を出す時の癖を知ることで、
「ちゃんと響く声が出せるんだ」と気づくことができたそうです。
頑張ってきた自分に「余裕♪」の言葉をプレゼント
歌歴が長い人は、練習の成果がちゃんと声に表れています。
レッスンを受講される前から、安定した音量と長さで出せる身体をすでにお持ちでなのす。
なので一度、その身体に
「ちょっと手を抜くくらいでも余裕で歌えちゃうよ♪」と、
声かけを試してみてはいかがでしょうか。
今までの身体の感覚、呼吸の流れと比較してみてくださいね。
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